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炎症性ポリープの悪性転化が疑われる直腸腺癌を粘膜プルスルーにより切除した犬の1例  熊本市 西区

近年、国内のミニチュア・ダックスフントにおいて

炎症性結直腸ポリープが好発することが報告されています。

中高齢の雄のミニチュア・ダックスフントに好発し、

症状として血便、しぶり、軟便、下痢、肛門からの

ポリープの脱出などが見られます。

治療には免疫抑制剤が効果的だと報告されています。

 

 

 

症例

ミニチュア・ダックスフント 雄
11歳齢

 

便に血が混ざっている。との主訴で来院されました。

直腸検査を行い、肛門から数cmのところに腫瘤が

見つかりました。

(このあと、手術中の写真などが出てきます。了解いただいた方のみご覧ください)

出血が続くため麻酔下での内視鏡検査と

病変部から組織を採集し、病理組織学的検査を行いました。

その結果、炎症性ポリープと診断され

内科療法により経過を診ていました。

 

 

 

一時的に症状は改善しましたが、出血は続くとのことで

再度、病理組織学的検査を行いました。

 

その結果、大腸腺癌の疑いがあるとのことでした。

 

 

飼い主様との話し合いの末、

病変部の外科的切除を行いました。

 

 

手術法は「粘膜プルスルー法」です。

肛門から直腸、結腸粘膜を引きだして病変部を含めた、

腸管粘膜を全周切除します。

 

粘膜プルスルー法 前

 

手術序盤。肛門から腸管粘膜を引き出しています

 

 

 

 

 

 

粘膜プルスルー 中盤

 

腸管と病変部を引き出しています。

 

 

 

 

 

 

 

大腸腺癌 病変部

 

切除した病変部です。粘膜が不整でボコボコしています。

 

 

病理組織学的検査は「大腸腺癌」でした。

病変部は全て切除することができていました。

 

 

 

この子の術後経過は良好で、

入院中に形のあるウンチをしてくれました。

ウンチが出たときはスタッフみんなで喜びました。

 

 

 

 

 

 

ミニチュア・ダックスフントの炎症性ポリープと

腫瘍の関係性は明らかにされていません。

 

 

しかし、ヒト医療領域では炎症性腸疾患の患者において

大腸癌の発生リスクが上昇することは、

疫学的にも分子生物学的にも証明されています。

 

 

イヌでもヒトと同じようなメカニズムにより

発生することが疑われており、

今後の研究で分かってくるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

限りある命。

大切な家族との時間を健康に過ごすことのできるよう

スタッフみんなでサポートさせていただきます。

 

たかた動物病院

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

犬と猫の治療ガイド 2012 私はこうしている

犬の腫瘍 Managing the canine cancer patient

 

文責 村端

 

 

 

 

 

 

 

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