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動脈管開存症のイヌの1例  (熊本 東区)

今回は動脈管開存症という心臓の先天奇形の病気に関することです。

 

 

動脈管開存症(PDA)とは胎児期に存在する動脈管という血管が

出生後も閉鎖することなく残ってしまう病気です。

 

 

 

イヌの心血管奇形全体の約30%を占める遺伝的疾患で、

好発犬種は

マルチーズ,ポメラニアン、シェルティー、トイプードル、

ヨークシャテリアとされています

 

(以降は手術の写真が出てきます。ご了解いただけた方のみ見てください)

動脈管が残存しているため正常な血液循環が行われず、

初期には左−右短絡を生じ、左室拡大、僧帽弁輪の伸展、

左心室の容量負荷を引き起こしてしまいます。

 

 

 

それによりうっ血性心不全と肺水腫を起こしてしまいます。

病態が進行していくと右−左短絡となり肺高血圧を生じ、

重度な衰弱、全身性低酸素血症、運動不耐性、

進行性の赤血球増加を生じます。

 

 

診断には超音波検査が用いられ、

治療法は外科的に動脈管を塞ぐことです。

 

 

 

 

症例
ヨークシャテリア 未去勢雄 4ヶ月齢 体重600g
健康診断時に連続性の心雑音、運動不耐性を認めました。

 

 

超音波検査にて開存した動脈管を認めました。

左・動脈管径 1.4mm

 

 

外科的治療を選択し、手術を行いました。

 

動脈管確保

 

 

Jackson&Henderson法を用いて動脈管を結紮、離断しました。

 

(奥の結紮糸:肺動脈側、手前:大動脈側、最手前:迷走神経の支持糸)

 

 

 

術後の経過は良好で、走り回る姿を見せてくれています。

 

動脈管開存症を乗り越えたナガイクン

 

 

 

 

手術は難しく、血管の分離は緊張が走りましたが、

元気な姿を見せてくれると、

また頑張ろうという気持ちにさせてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

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